私が幾度叫んでも届かない声をあなたは、まるで全ては創世記からあるものの様に、私からすくいだしてありのままを食べ尽くしてしまう。
 正しいわけもない言葉で私を誘う、その姿はまるで私を殺したがる人の皮を被った虎だったわ。解っていてあなたはそういう危険を冒すのね。それはあまりに愚かな形をしている。
 猟銃をむけられた動物だって今は生きてるのよ。たった今死んでしまったけれど。
 ほら皮を剥いだら中から人が出て来た。危険信号はあなたに移った。ボキボキパキパキと墜ちたの、私。
 ほら、ね。とても醜く纏ったの、私。さっき、私を殺したのに残酷ね。あなたもやっぱり纏っているじゃない。
 生きるも死ぬもやっぱり誰にも決められなかったんだわ!

「さようなら。」

「君は」

「また、どこかで逢いましょう。どうせなら夢で逢いたいわ。」

 手をつないだら私はあなたに引っ張られるようにあなたを抱きしめた。

「これからどうなる?」

「わからないけど今度もあなたに会いたいの。」



 私は耳の中で何か破れた音を聞いた。聞いたら私は眠くなってきた。もう少しあなたを感じていたい。優しいあなたの手が私の背中にあたった。

「眠ろう。僕も夢で会いたい。」

 私達の耳に変な音が遠くで聞こえた。壊れていくような、崩れていくような、歪むような、肌に刺さるような。


「デジャヴ・・・」


 虚から生まれたのは赤く血を纏った 。数年前に虚に喰られて死んだはずの 。殺したのは僕ではなかった。もう一人。

 どうして、僕はたった一つの願いですら聞けないんだろうか。

De-ja vu you!