私の肌を舐める様に撫でる様に優しく触れる愛撫。私の肌が乾くころにあなたは私を求めて突き上げて見下す。一定の距離を保ちながら愛している。お互いに許される領域はこの一瞬。 「」 小さな灯に照らされているあなたの肌は赤く、汗は妖艶に光る。背中に爪を立てしがみついてもあなたに近付かない。 「わざとそういうことするんですか?」 グシャグシャになったシーツにいやらしいほど残るあなたの匂いに焦燥感と罪悪感を並べて私は、あの人を思う。許されないと知っていても。お願い。 明かりを消して...思考回路を止めて...あぁ... 「あーぁ、残っちゃいますね。」 「ごめんなさい。」 「いいですよ。あなたがくれるならなぁんでも。」 私にあの人を忘れさせるために与えられたのがあなただとしたら神様はどうしてこんなに残酷だろう。どうしてあなたはあの人に似て長い愛撫で私を狂わすの?あの人とまったく同じように壊していく。その優しい腕も一定の距離を保って侵食を許さない孤高、飴と鞭をうまく使い分ける狡猾に溺れない女なんてきっといない。 |
私の肌が乾く頃あなたは私を求める
(051116)