不思議な人だった。気まぐれで優しくしてその後はいつだって深く深く沈められた。私を高い所から見下ろして全てを支配して見下して優しく手を差し伸べて...壊れそうになる。
「、おいで。」
私の手を無理やり引っ張るその人の手は恐ろしいほど温かだった。さっき私を見たあの冷たい目はまるで嘘のように。でもこの人は私に甘い夢を見せてくれた。こんなに甘い夢を見せてくれた人は今まで一人もいない。そう、きっとこれからも。
「愛してるよ、。」
何を言っているのかわからない。どうしてそんなふざけたことを言うの?とりあえず首を縦にふった。
「言って、聞こえるように。」
その目で見つめられるとどうしようもなくなる。深すぎるキスに息もできない。体の奥が熱を持つ。大きな手が私の中を探る。止めて。でも止めないで。体の奥をつきあげられて。
「愛してます。」
そうして、遠くに行ったあなたが帰って来る日は無かった。わかってる。夢はいつか覚めなくちゃいけないことも全部。どうせならもっと早くに夢から起こして欲しかった。またあなたを思い出す。
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