嘘で固められてる私の人生は嘘の上手な人が必要だった。コンクリートに生埋めにされた気分だけど仕方がない。それが私の選んだ人生だから。コンクリートから脱出する術はただ一つだけ。
「私、あなたなんか要らない。」
ソファーから見上げたギンの顔は「わけがわからない」と言っていた。私が座るソファーの前に来てゆっくり床に、膝をつけた。私が偉い人みたいになってる。
「をそないにひっどい事、平気で言う子に僕は育ててないけど?」
そう言って私の髪をゆっくりなでる。育ててもらった覚えはないよ。でも、嘘のつき方なら確かに教えてくれた。
「あんたほど狡賢くない。わかってる?」
一瞬驚いた顔をしたギンはすぐにうすっぺらな虚像を見せつけた。わかってない・・・!!私は明日、明後日を見てるんじゃない。
「なら、一緒に堕ちたらええよ。・・・二人で生きよ、誰も見つけられへんように。」
答えはもちろんNOだ。私はギンの白い羽織を握った。この世界が虚像で出来てたらよかったのに。そしたら、希望なんて私たち持たなかったね。
本当に最後の希望はあなたの手でパンドラの箱の戻されてしまった。私は、コンクリートの中で永遠に眠る。時々あなたが私の上を歩く。あなたが私の上を這うのかと思うと無い心が熱を持つ。もう一度あなたはパンドラの箱を開けたとき、希望を見つけてくれると願って私は狭い世界であなたをもうしばらく待つよ。
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