Walking
それはそれは夕暮れの帰り道。
手をつないで歩いていました。
はたから見ればきっと私たちは親子かえらく年の離れた兄弟。
「カカシ先生機嫌悪いね。」
「なんで?」
「・・・悪いね。」
「別にそんなことないよ。」
「それじゃあいいコト教えてあげる。」
「ん?」
「大人の動揺はそれ以上に子供に伝わるんだよ。」
「知らないぁ。」
「それが悲しかったり怒ってたりすると特にね。」
「知らないって。」
「じゃああなたの周りの大人のウソは上手かったんだろうね。あなたが鈍感なのかな。」
「・・・じゃあの周りの大人はウソが下手なのかな。」
「ちがうよ。ウソが上手すぎて隠しきれてない。」
「わからないな。」
「じゃあ、はやく機嫌直してね。」
「悪かない。」
「・・・」
「悪かないから。」
「じゃあカカシ先生さようなら。また明日」
「さようなら。また明日。」
明日なんてあるのかわからないけれど。