まだ生きてる、私は生かされている。銀で装飾された大皿の上ならよかった。生きてなどいないもの。問題は私が踊る大舞台はあの男の掌だっていう事なのよ。私が選んだ舞台は残酷で美しい。あなたの掌で死んでみせるわ、真っ白なドレスに真っ赤な血の飛沫をあげて掌を汚してやる。二度と誰も血という呪いの名において踊ることなど無い様に。さぁ踊りましょう。止まる事など許されない。与えられた剣は二つ、さぁ私の生きた血を注ぐのよ。

「さぁ、踊ろう。君の大嫌いな夜が明けるまで。」

「意味が無い事、わからないの?」

「さぁ手を。」

紳士なあなたは私の手に触れ狼になる。ドレスを切り裂き私を貪る。生暖かいだけの肌が私を包み込む。キスなんてどちらからしたのかなんて今の私にはどっちでもよくて解らない。ああ、麻痺している。ため息も言葉も全て飲み干してしまうだけのこんな悲しいキスに溺れるなんて!つきあげる衝動とつきあげられる衝動。感情。無理をさせないで、私にそんな事言わせないで。何が欲しいかどうして欲しいかなんてもうわかっているはず。声も出せない。どこまでも私はあなたの掌中で踊らされるんだわ。

「愛してる。。」

(050710)