暗い、深い、災いが湧き上がる。何処か遠い遠い所から。それでも私が理解るのは、繋がっているから。間接的に、でも深く。 「久しぶり、。大きくなったな。」 「久しぶり。」 深い底から這い上がってきた私と炎を知らないあなたは、なんて愚かなの。(でも確かに繋がりならあったのよ、だって私達は・・・) 「5年ぶりのワリには素っ気無いなぁ。俺は会う日を楽しみにしてたんだぜ。」 「・・・随分ひどいことしてくれたわね。あなたってこんな殺し方する人だった?」 私はしゃがみこんで可哀想に目を開けたまま冷たい石畳の地面で眠りについた男の目を手で閉じて血でぐちゃぐちゃになった胸の上で手を組んであげた。さようなら、あなた少しだけ素敵だった。でもあなたは私の底を知らなかった。いや、知らないほうが幸せだった。 「、行こう。千年公が待ってる。」 「もう、忘れられてるかもね。」 「この男がそんなに愛しい?」 「・・・別に。」 ものすごくこの人が愛しい。この人と結婚してこの人の子供を生んであげたかったなんてこの先、誰にも言わないけど。差し出された手を掴んで立ち上がると唇に軽いキス。あっちに戻ったら食事して、その後は二人っきりで。と囁くあなたの言葉を聞きながら思うのは火葬されて骨と灰しか残らない男の事。光の世界は終わった。後は闇に深く沈むのを楽しみながら愛していたことを忘れないように落ちるだけでまさしくそれは、ディープ・ダーク。 |
(050723)