「俺、お前を殺すよ。」
そう。これは何の意味も無い賭けだ。ベットに裸で転がっている女の髪を触りながら俺は言った。何も言わなかった。
「マジで。待っててくれるよな?」
もしも、待っててくれるなら今すぐにでも殺そうと思ってたんだ。きっと心臓は温かくて気持ち良い。
「行く場所が違う気がするんだけど。」
反転。今度は女が俺の上に乗っかってきた。肌と肌がくっつく。
「それもそうだ。」
「私、死後の世界とか大嫌い。」
「あらら、ロマンチストは俺だけ?」
俺の上からどいて俺の横に寄り添うように。きっと俺はを殺さない。でも時々、が遠くに行ったらなんて考えてる俺。その時はどこまでも追いかけて見つけて土下座させたその後で殺してやる。この世の誰も俺からを奪うことなんか許さない。が俺以外を愛する事を許さない。
「寝ちゃった?」
「寝ちゃった。」
「そうか。」
小さな子供みたいにすがってくっつくが愛しい。どこまでも冷たくて深い海に沈めてやりたい。底に着いたは氷に閉じ込められて時が止まる。そうしたらきっと俺達は永遠。神様が悔しがるだろうな。永遠を創り損ねたんだから。
「お前は何も知らなくていいから。ただ俺を見てりゃいいよ。」
だってこの物語はフィクションなんだからどうってことないさ。きっと。
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